このような社会システムのひずみの犠牲者は、女性に偏っています。
インドでは、栄養不良の女児は、男児の4倍にもなります。また、発展途上国では25%の男性が貧血症にかかっているが、女性は45%にものぼります。
これは、文化的に男女差別が横行している結果と言えます。日本では男性のほうが労働時間が多いケースが多いのですが、多くの発展途上国では、女性の方が男性より労働時間が圧倒的に多いのです。女性が農作業・家庭の仕事をこなし、その上男性が先に食糧を手にするという文化である場合が多いのです。さらには女性は土地を所有する権利がなく、また学校にも行けず、識字率が下がります。
女性をターゲットに援助を行うことで、その子供の栄養状態も向上し、女児が就学できる機会も増加します。
今後、穀物生産量の増加は難しいといわれています。理由は、農地の4割が既に劣化しており、また画期的な食糧増産の研究開発もなかなか見られないからです。
さらに、穀物作付面積は一時7億3200万haまで増大したものの、2000年には6億5600万haに減少しました。それでも世界人口は毎年7600万人(2004年)(1億3300万人が誕生、5700万人が死亡)増加しています。その結果、ここ数年で世界の穀物在庫日数(約65日)が大きく減少し始めています。
穀物生産量は1950年から2000年までに約3倍に伸びました。全体の生産量が3倍にもなっているにもかかわらず、一人当たりの食料生産量は、なんと穀物は11%減少、食肉は15%減少となっています。
この食糧不足に拍車をかけるのが、食肉消費(生産)量の著しい増加です。食肉の消費量は過去50年で2400万トンから6500万トンと約3倍になっています。食肉消費は、穀物の間接消費(人に供給されるべき穀物が牛や豚や鶏などの動物に供給され、その動物を人が食べる)であり、非効率的です。
アメリカの平均的食生活を基準にすると、この地球は26億人分の食糧しかまかなうことができないといわれています。アメリカ人の穀物消費量の平均は年間800キログラムで、その5分の4以上が間接消費(穀物を一度動物に食べさせ、その動物を食べるという消費方法)です。一方、貧困層の人々の穀物消費量は年間200キログラムに満たないのです。